100マイル投手インディアンス、ダニー・サラザール対三冠王ミゲール・カブレラ

ピッチング

2013年度、大リーグで平均球速が95マイルを超える投手は、30イニング以上を投げた投手では、31人いますが、そのほとんどは救援投手です。先発投手では今年のオールスターゲームでナリーグの先発投手となったメッツのマット・ハービーMatt Harvey(95.4マイル)とナショナルズのステファン・ストラスバーグStephen Strasburg(95.3)の2人だけです。
 大リーグ最速はレッズのアロルディス・チャップマンの98.1マイルです。
 マット・ハービーは現在、9勝3敗、防御率が2.09で、三振奪取率は10.03、四球率は1.63とナショナルリーグのサイ・ヤング賞候補と言える若手投手(24歳)です。
 このマット・ハービーよりも速い球を投げる新人の先発投手が出現しました。クリーブランド・インディアンスのダニー・サラザールDanny Salazar(23歳)です。
ダニー・サラザールDanny Salazar
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サラザール対ミゲール・カブレラ、100マイルで空振り三振
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 8月7日、タイガース戦に今シーズン2度目の先発をしました。初先発は7月11日のブルージェイズ戦で6回を2安打、1失点に抑え初勝利を挙げました。
 8月7日、タイガース戦では昨年の三冠王ミゲール・カブレラMiguel Cabreraを3打席連続三振に打ち取り、3対2とリードして迎えた8回、カブレラへの初球96マイルの速球をスタンドまで運ばれ、逆転の2ランホーマーを打たれ、降板しました。インディアンスは8回裏、同点に追いつき負け投手にはなりませんでしたが、インディアンスは延長戦の末、敗れました。延長14回表にタイガースが2点を取り、その裏インディアンスが1点を返しましたが及びませんでした。6対5でタイガースが勝ち、11連勝を記録しました。
 
 サラザール対カブレラ(背番号24)の4打席の内容
1打席目:見逃し三振
初球  99マイル、フォーシーム(ボール)
2球目 98マイル、フォーシーム(見逃しストライク)
3球目 99マイル、フォーシーム(見逃しストライク)
4球目 99マイル、フォーシーム(ボール)
5球目 99マイル、フォーシーム(ボール)
6球目 88マイル、チェンジアップ(見逃し三振)
2打席目:空振り三振
初球  100マイル、フォーシーム(ファウル)
2球目 99マイル、フォーシーム(ファウル)
3球目 99マイル、フォーシーム(空振り三振)
3打席目:空振り三振
初球  98マイル、フォーシーム(ファウル)
2球目 88マイル、スライダー(空振り)
3球目 88マイル、スライダー(ボール)
4球目 100マイル、フォーシーム(空振り三振)
4打席目:本塁打(2ラン)
初球  96マイル、フォーシーム(本塁打)
 サラザールの速球は第3打席まではすべて98マイル以上でしたが、第4打席は2アウトから走者を1人出してセットポジションからの投球で、初球96マイルが内角のベルトの高さに入ってしまい、三冠王のカブレラにセンターのスタンドまで運ばれてしまいました。
 サラザールはドミニカ出身の23歳で、Height/Weight: 6-0/190 、身長183センチ、体重86キロで体は大リーグでは大きいほうではありません。同じドミニカ出身の最強右腕ペドロ・マルチネスよりも1インチ(2.5センチ)背が高い程度です。
 サラザールはインディアンスの先発ローテーションの1人が怪我で故障者リスト入りしたために、緊急登板になりましたが、しばらくはローテンションの5人目として登板の見込みで、大リーグ注目の投手です。
 サラザールの凄いところは、球が速いだけではありません。コントロールも良いのです。球が速いのに四球は1試合に1個しか出していません。
 また、投球フォームが非常に優れていると思います。100マイルの球を投げるのに力んで投げていません。体全体で投げているために腕の振りが特に目立ちません。腕を振るというよりも肩を速くスウィングしているので腕は体と一体となって回転しているためです。肘、肩に負担をかけずに速い球を投げるための手本になる投球フォームです。ストライドを極端に大きく取っていないのも速い球をコントロール良く投げれる秘訣だと思います。サラザールの投球フォームは理想的な投球フォームの1つと言えるかもしれません。今後の活躍に注目したい投手です。
 サラザールのこの日の投球内容:
7回2/3イニングで7安打、4失点、4自責点、1四球、10三振、2本塁打
球種の配分は7割がフォーシーム、2割がチェンジアップ、1割がスライダー
フォーシームの平均球速はマット・ハービーの95.4を上回る97.8マイルでした。
Salazar’s 10 strikeouts
サラザールの10三振(動画)
Miggy’s go-ahead homer
ミギー(カブレラ)の勝ち越しホーマー(動画)
8回にカブレラがサラザールから逆転の2ランホーマーをセンターに打ちます
 

コメント

  1. 高2 より:

    ピッチャーでボールを前の方でリリースするにはどうすればいいですか?
    またピッチャーはウエイトトレーニングはどのくらい必要ですか?

  2. 読者 より:

    率直に言って、君はもっとこのブログの記事を読むべきだ
    このブログではリリースポイントを前方にするということを記事として扱ったことはない
    もっと言えばリリースポイントを前方にするというと、世間では決まってストライドを大きくとって、より大きく前に移動するというような話になるが、このブログではそれは球速コントロール両方にとってよくないと結論づけられている
    それを知ってなおわずか十数センチのリリースポイントのために球速とコントロールを犠牲にしたいのならそうすればいい

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