火の玉投手ボブ・フェラーと大リーグ最速記録投手アロルディス・チャップマンの比較

ピッチング

 日本で火の玉投手と言えば元阪神、現カブスの藤川球児投手ですが、大リーグで火の玉投手といえばボブ・フェラーが有名です。1936年に17歳で大リーグデビュー。いきなりデビュー戦で15三振を奪い、その年に1試合奪17三振も記録しました。ノーヒット・ノーラン3回、1安打ピッチング12回記録(大リーグ最多)。18シーズンに渡ってインディアンスでプレーし、通算266勝、2581奪三振を記録。
 1946年、米軍が協力して行なった球速測定機を使った実験では、初速117.2マイル、終速98.6マイル、平均で時速107.9マイル(時速174キロ)を記録したそうです。精度に誤差があったとしても、現在の大リーグ最速記録を持つシンシナティ・レッズのアロルディス・チャップマン投手の初速105マイル(時速169キロ)は出ていたのではないでしょうか。
 100マイルを超える球を投げるために必要なものは?
 ボブ・フェラーとアロルディス・チャップマン両投手の投球フォームに共通するものを探れば、その答えがわかるはずです。
①前側の足が着地するまでテイクバックした腕を振りにいかない
 ボブ・フェラー
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 アロルディス・チャップマン106マイル
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 ボブ・フェラーは投球のデモンストレーションのビデオを残していますが、その中でこのことについて触れています。
Notice that even though the stride has taken place,the pitching arm still remains far back of the shoulder.
前足が着地したにもかかわらず、投球する腕はまだ肩のずっと後ろ側に残っていることに注目してください。
You pitch against the stride,not with the stride.
前足が着地するまで投げるのを我慢しなさい、前足を踏み出しながら投げてはいけません。
ボブ・フェラー
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ボブ・フェラー、1946年米軍による球速測定、平均球速107.9マイル(時速174キロ)
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アロルディス・チャップマン、球速106マイル(時速171キロ)(非公式、レーダーガンによる測定)
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2012年夏の高校野球予選で時速160キロを出したときの大谷翔平投手の投球フォーム
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前足が着地するまで右腕を振り出さないで我慢していますが、ボブ・フェラー、アロルディス・チャップマンと比べると、まだテイクバックが小さいです。両投手とも相手打者に背中を大きく向けるぐらいテイクバックが大きいです。大谷投手はグラブを持っている側の左肩をもっと3塁側に突き出すようにすれば、右腕のテイクバックが大きくなり、もっと球速が上がりそうです。
球速とストライド(歩幅)の関係
 前足を大きく踏み出すほど(ストライド、歩幅が大きい)球速が上がりそうな印象を受けますが、歩幅が大きことは100マイルの球を投げるための必須条件ではないようです。①の要素の方が大事なようです。
 歩幅を大きく取りすぎると、どうしても前足が着地する前に腕を振りはじめてしまいがちになります。それよりも、歩幅は小さめでも確実に前足を着地してから腕を振りはじめたほうが、球速は上がるし、制球も良くなり、肩、肘への負担も小さくなると思います。
身長193センチのアロルディス・チャップマンは歩幅が大きい
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身長183センチのボブ・フェラーの歩幅はあまり大きくありません
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