球速を上げるにはストライドの大きさと速さが大事

ピッチング

 球速を上げるには歩幅ストライドが大きいだけでは駄目で、いかに速く前足を着地するかが大事かについて解説しています。自分が思っていたのと同じ考えなので紹介したいと思います。
Pitching.comの記事の抜粋
前レッドソックス投手ミルズによる記事です。
Pitching Mechanics - Why Slow Movements Kill Pitching Velocity
投球メカニクス ー 何故遅い動きは球速を殺してしまうのか
My advice was to first check stride length. I then always ask if the pitcher looks like his pitching delivery is too slow or controlled?
私のアドバイスは最初にストライドの長さをチェックすることでした。それからいつもその投手の投球動作が余りに遅く見えるか、あるいは制御がされているかどうかについて尋ねます。
If a pitcher moves slow he will throw slow.
もし投手の動きが遅ければ、球速も遅くなります。
Pitchers must get their body moving faster from the back leg to the front leg. Rotational forces are the result of linear forces…
投手は後ろ脚から前脚にもっと速く乗り移らなければいけません。回転させる力(骨盤、胴体を)は直線的な力(後ろ足を蹴る力)の結果です。
If he moves slow his rotational forces will be slow. If he moves faster his rotational forces of the hips and trunk will be faster thus adding to more arm speed and velocity.
もし動きが遅ければ回転させる力も遅くなります。もしもっと速く動けば骨盤と胴体を回転させる力は速くなり、このようにしてもっと腕の速度と球速が増します。
具体的にどうすればよいのか
①軸足(後ろ足)をいかに強く蹴るか
これによって全身がホームプレートに向かって速く直線的な動きをし、運動エネルギーが得られますが、これをいかに効率良く、骨盤、胴体の回転へと変えて行くかが大事です。
 軸足の蹴り方
踵を挙げ爪先側に荷重して、素早く膝の向きを正面に向けながら強く蹴る
マウンド 足跡.JPG
陸上競技の短距離走者のスタートのように強く蹴る
sprinter start_28.jpg
 蹴り方の良い参考
上原投手の蹴り方
uehara hatsu save ashi slow1.gif
上原投手の右足の向きは最初から少しホームプレートの方向を向いているように見えます。それで早いタイミングで蹴り出せるので、打者は思ったよりもボールが早く手元に来て振り遅れるのでしょう。 
チャップマン投手の蹴り方①
chapman106footslow1.gif
チャップマン投手の蹴り方②
chapman back leg drive slow1.gif
 良くないと思われる蹴り方
藤川球児投手の蹴り方
fujikawa keriasi.gif
右足の内側で蹴っており、体が重力で前に移動するのを待って右足の下腿が前に傾くまで待っていなければならず、重心は低くなり、強く蹴り出すまでに時間がかかってしまいます。足の内側では強い蹴りはできません。上原投手、チャップマン投手のように爪先をホームプレート方向に向け、爪先、拇指球で蹴った方が早いタイミングでなおかつ強く蹴り出すことができます。この二人がいずれも普通の投手に比べて早いタイミングで速く蹴り出せる秘密はこの点にあると思います。
 藤川投手は上原投手と親しいので(球児、浩治コンビ)いずれ上原投手のような蹴り方に変わると思います。
 ダルビッシュ投手は大リーグ1年目の前半は藤川投手のような蹴り方だったのですが、シーズン後半途中にこの二人のような蹴り方に変えてから成績が著しく良くなりました。
②前足が着地する間際まで爪先を3塁側に向けたままにして、軽く膝を曲げて着地し、この後、膝をを伸ばし、前脚を回転軸としてこ骨盤、腰、胴体を回転させるのですが、体の重心がこの回転軸上に来るような姿勢を取ります。
 回転軸上に重心があると最小の力で回転します。フィギュアスケートのスピンもそうです。こういう理由でボブ・フェラーのような姿勢になります。
ボブ・フェラーのように前脚一本で立っていられるような姿勢を取れるようにします。 
bob feller 98jyuusin.jpg
骨盤、腰、胴体が1塁側に回転する際に、前脚を垂直よりも1塁側に少し傾けるようにする(右投手の場合)と重力の関係で回転しやすくなります。背中を少し後ろに反らせるようにすれば前脚が1塁側に傾くようになります。
 また、遠心力に対抗するために傾きは必要。しかし、傾きすぎると体が1塁側に流れ過ぎて頭が動くので制球が悪くなる可能性があります。
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 以上が今アメリカで主流の投球メカニクスです。右投手の場合、投球後半に体が1塁側に向きます。
ボブ・フェラーの投球メカニクス
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軸足(後ろ足)を強く蹴ると体全体がホームプレート方向に向かうのですが、前脚を着地した際に体の重心(大体へそのあたり)の動きが止まるような姿勢をとる必要があります。これは②で説明した姿勢を取れるようにすれば自然とそうなります。
 重心の描く軌跡の延長上に前足が着地するようになるはずです。重心の動きが止まれば上半身が前に自然と飛び出すようになり、肩の縦の回転も自然と発生して球速が増します。

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