佐々木朗希投手の投球分析

ピッチングスクール

軽く投げているようで球速が100マイルに到達する秘密は?

  1. ハイキック投法

  2. 股関節を内旋し内股で重心移動

  3. ホームプレート方向へ無駄なく重心移動

  4. テイクバック時、肘を最初伸ばした後、曲げるが、その角度に不安が残る

佐々木投手のピッチングフォーム

侍ジャパン

1.左脚の膝を最初、伸ばして高く蹴り上げる独特なハイキック投法です。その後、ジャスティン・バーランダーのように左膝は深く曲げています。

2.アロルディス・チャップマンや、元巨人の槙原寛己投手のように内股で重心移動し、下半身を開かないようにして、最後に股関節の外旋を最大限利用しています。

槙原投手のピッチングフォーム

3.軸足の膝を最初伸ばした状態から体重を抜くように徐々に曲げてゆき、重力による位置エネルギーをロスすることなく、ホームプレート方向への運動エネルギーに変えています。

4.肘を直角に曲げて肩関節を急速に外旋すると、肘の内側側副靭帯に大きな引っ張り張力がかかるのを軽減できます。大谷投手、ダルビッシュ投手、その他多くのトミージョン手術を経験した投手は肘を直角に曲げています。佐々木投手は肘の曲げ角度が60度近くありそうで、コッキングのタイミングが遅れています。30度以下にしたほうが肘を怪我しないと思います。

佐々木投手のテイクバックの不安点

多くの日本人投手が大リーグでトミー・ジョン手術(内側側副靭帯再建術)を経験しています。多くの場合、投球フォームに問題があります。果たして、佐々木投手はどうなのかを検証しました。普通の動画再生速度では、投球側の肘をあまり曲げていないように見え、問題はないように思っていましたが、スローモーションで見ると、テイクバックに不安が残ります。

ゲリット・コールと佐々木朗希のテイクバックの比較

2019年シーズン終了後、アストロズからヤンキースに移籍したゲリット・コールはフォーシームの平均球速が97マイルを超え、回転数も2500を超え、大リーグ最高の空振り率35.7パーセントを2019年に残しました。現在29歳ですが大きな手術の経験がありません。したがって、そのピッチングのテイクバック方法は大変参考になります。両者を比較してみましょう。

テイクバック時の肘の曲げ角度は何度以下が推奨されるか?

ゲリット・コールは約30度ぐらいなので、30度以下がおすすめです。これはあくまで、プロ野球で100マイル近い速度の球を多く投げることを前提としての話です。

ゲリット・コールのテイクバック

ゲリット・コールの理想的なコッキングのタイミング

ゲリット・コールの100マイル・ピッチングフォーム

コッキングとは前腕(肘から先の腕}を地面に垂直に立てることですが、理想的なコッキングのタイミングは、多くの殿堂入り投手に見られるように、前側の足の裏が着地したときに、両肩を結んだ地面に垂直な平面内に前腕が存在することで、通常、両肩と投球側の肘は一直線上にありホームプレート方向を向いています。ゲリット・コールはまさしく理想的なテイクバックといえます。

佐々木投手のコッキングのタイミング

佐々木投手のテイクバック時の肘の曲がりはゲリット・コールよりも大きい。60度ぐらいありそうです。その結果、コッキングのタイミングが遅れています。これは肘を痛める原因になりえます。

前足を着地したとき、前腕がまだ地面と垂直になっていない。

コッキングが完成したときには体が開いている。

体が横向きからややホームプレート方向にすでに回転している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました